4ローター採用のメリット
2017年1月に6ローター10L機DECA10を発売。
6ローターのメリット
1、 1つプロペラが外れても、墜落せずゆっくり回転しながら着陸できる。
2、6個のモーターなので力が強い
3、安定性が高い
さて、このメリットが実は神話でしかなかったのです。
神話メリット1:無負荷の状態でしたら、確かにプロペラが一つ、またはDJIN3は2つ取れても墜落しませんでした。
しかし2L入れた散布機をもって1つプロペラを外すと、取れたモーター側が下になり墜落。
神話メリット2: ペイロードを上げるには、モーター数を増やすよりも、より大きなプロペラを付けるほうがはるかに有効
写真は、22インチ、24インチ、30インチプロペラ
プロペラの役割は、空気を「つかんで」下方に飛ばすこと。写真を見て分かる通り、小さなプロペラは、空気を沢山つかめず、空中で空回りしている比率が大きい。
ドローンに付けられるプロペラの大きさは、プロペラ同士がぶつからないサイズを使います。
6ローター、8ローターはモーター間が狭く成る為、小さなサイズを付けざるを得ません。
神話メリット3:6ローターを離陸させたことがある方はおわかりですが、離陸時は一気に上昇させないと横に倒れる動きになり、運が悪いと地面に叩き付けられます。
離陸時はプロペラによる下方へ風が送られ、フライトコントローラーは空圧を見ているため、誤検知しやすい傾向が有ります。その際6ローターを上手に調整してバランスを取りながら離陸することは非常に難しいコントロールとなります。DJI A3以降ようやく離陸安定性が保たれるようになりましたが、液体を積んだ散布ドローンではまだ無理なようです。
6ローター 10L散布機 DECA10で何度も離陸試験を行いました。コントローラーはDJIA3 液体なしでも、機体が重たいため、ゆっくり離陸できませんでした。さらに5Lを超えますと、何度も左右にねじれながら離陸。すぐに安定しますが、怖いです。
4ローターは、フライトコントローラーにとって、正方形の4角にモーターがあるので、制御がしやすく、ゆっくり上昇させてもまっすぐ離陸できました。10Lを積んで離陸しても同じ安定性だった時には、非常に驚きました。
その他のメリット 飛行時間が大幅にUP.4ローターDECA10は無負荷で、しかもバッテリーにとって過酷な低温下で24分飛行しました。
Phantom,Inspir, Matrice200が4ローターなことは以上の理由によります。
モーター
モーターの型式をみると3110、4008,5008、6301,8910など数字が書いてあります。
数字はモーターの大きさを表し、大きな数字ほど大きな外径のモーターです。
飛行重量の大きな散布ドローンには、大きな力が必要です、小さなモーターで頑張っても、過熱を起こし、熱により電気抵抗が変わり飛行が不安定になります。さらに過熱が進むとモーターコイル部分の燃焼が起こり墜落に至ります。
モーター後からはコイルの長さに比例
大きなモーターは、沢山のコイルが巻き付いており、大きなトルクを生み出します。
同じバッテリーでも大きなモーターほど力が大きくなります。
ヘリオス10には8900クラスの大型のモーター(写真左)、従来の弥七には5008(写真右端)が装備されています。
大きなモーターのメリットは、さらに放熱性です。過熱による不具合が起こりにくいです。
大きなモーターを搭載するには、堅牢なフレームが必要で、コスト増につながりますが、安定して、総重量20キロを超える機体を持ち上げるには不可欠となります。
散布ドローン用タンク(別名 ヘリオスタンク)開発?
飛行試験を繰り返していく中で、飛行中にGPSエラー(赤 黄色の交互の点滅)、ホバリング中に回転運動が起こる現象の原因追究が急務となりました。
液体がない時でもエラーが起こるのは、フレームが柔らかい、ねじが緩んでいることが原因。フレームの剛性はフレームを変えることで決着しましたが、液体が入っていますと液が揺れます。揺れに伴い、機体が揺れ、GPSエラーとなります。
他社など、一般に広く使われている長方形タンクで必ず起こります。
内部に敷居を入れる
昨年の紅葉も見ごろを終えようという時期。東京ドローンプラスさん、近所のホームセンターに駆け込み買ってきたのが、塩ビの白い敷居板。さっそく効果を試します。
・・・ダメでした。敷居が動き、長方形のタンク内の水は前後左右に揺れ、機体もホバリング中に円運動を始めます。しばらくすると、液体の揺れと機体の揺れがハーモニーを奏でます。
魔のハーモニーで、最後は、空中でひっくり返り墜落(現在のDJI A3のファームウエアーでは墜落は、しなくなりました)、魔のハーモニーを奏でなくはなりましたが)。木枯らしが身に染みて痛かった。
「タンクが長方形だから仕方がないですね」 とお答えしていたSKYROADですが、
「誰が飛ばしても安心して散布できるドローン」を目標にしている東京ドローンプラス S氏のあきらめない顔をみて、ギョッとしておりました。
解決するには、円錐形のタンクの開発が必要と判断。タンク屋さんにお願いしてタンクを作ってもらおうと考えました。金型の製作に1億円かかります。そんなお金はない!やっぱりあきらめましょう
2016年も終わろうとしていた時、某メーカーを探しやっと手に入れたのが現在のタンクです。
このタンクを装着してから、GPSエラーが起こらなくなりました。
フライトコントローラー(FC)
ドローンの制御装置。弥七には2年前からTarot ZYXを使用しておりました。当時どのメーカーのものも大差はなく、DJIのFCはA2でさえも問題を抱えておりました。2016年9月よりDJI A3,その後性能が同じN3に代わっております。DJIA3,N3だけが高さ維持、まっすぐ進むという正確さを持っております。
高さ維持: ホバリングでは問題にならない高さ維持ですが、移動中機体は傾きます。傾くと風力は斜めになる為、瞬時にモーター出力を調整しませんと下がります。瞬時の制御ができるには、高速演算のCPUが必要です。高速演算には、複数のCPU並列で演算することで初めて実現します。DJI Phantom4は20ものCPUがあるとされています。同じFCのN3の実力は、CPUの数によるものです。
直進性 : ドローンは、空からの10以上のGPS電波を処理して飛行します。移動中、瞬時に位置、方向を計算し、モーターを制御することで直進性が保たれます。多数のCPUによる並列高速演算が必要です。高度維持同様、多数のCPUを搭載したFCだけの技術となります。
写真 右から
Tarot,APM,Pixhawk, Topxgun, N3
N3:
発売当初から素晴らしい安定性と低価格を実現。A3と比較してデメリットなし。A3は昨年10月末のファームウエア更新以前は、墜落の連続でしたが、更新後は非常に安定。価格10万なので、10台購入するとこんにゃく1枚でしたので大変でした。
APM, Pixhawk:
FC単体の価格が8000円。メリットは、1万円台のセットで自動飛行が可能にできる。しかし、当然CPUはわずかしか使用されておりません.。2L散布でも使えませんでした。このFCを搭載して200万円以上の価格で販売している会社もあるのですが、理由がわかりません。
Topxgun T1A:
散布ドローン専用として昨年発売。DJIのAgrasと同じ半自動飛行のABポイントモードがあり、長い間テスト、墜落を繰り返し、採用を見送りました。このFCに期待をしておりましたが、80万円ほどの開発費(内訳は墜落による損害が殆ど)をかけた結果見送りに。 高度は上下に下がり、まっすぐ飛ばず、移動中機体の向きが変わってしまいます。